この前図書館に行って、こんな本を見つけてしまいました。
その名も「自転車事典」
さまざまな自転車が数多く紹介されていて、自転車事典の名に相応しい内容になっています。
これを見ていると、自転車という簡単な構造の乗り物でも、いかに多くのトライ&エラーがくりかえされていたかが分かります。
例えば今でこそアルミ製の自転車はあたりまえですが、19世紀に作られたアルミ製の自転車は歪みやすく、細心の注意を払って乗らないと細かい亀裂が入ってしまうそうです。
また、やり方に慣れていないとたたんだり元にもどすだけで小一時間もかかってしまう折りたたみ自転車、引火しやすいマグネシウム合金で自転車を作ったものの、ゆがんだり壊れたりする上、期待するほど軽量化にもならず、あげくのはてにはマグネシウムの屑が自然引火して工場を全焼させてしまった自転車などなど、、、
そこには自転車の構造やデザインとしての面白さがあり、、アイディアがあり、失敗があり、作る人のドラマがあって、一日中見ても飽きない本でした。
そしてもう一冊
「自転車ビルダー入門」
自転車ビルダーとは平たく言うと自転車を作る人のことです。
今野真一さんという有名なビルダーが自転車を作る上での考え方と、実際の製作のやり方を、写真と文章で分かりやすく書かれています。
まぁこれを読んだから、日曜大工的な感じで簡単に自転車を作れる訳でありませんが、実際に自転車を購入したり、それこそビルダーさんに自転車をオーダーメイドで作ってもらう時なんかはかなり役に立つ本だなと思いました。
また、本を読んで、自分の自転車やいろいろな自転車を見たとき、そこにはどういう設計者の意図やアイディアがあるのか、それが読み解けるようになると、また一段と自転車が面白くなるかもしれません。
二冊の本をとおして「自転車ビルダー入門」に書かれていた下記の文章がとても色鮮やかに響きました。
「自分で考えたつもりであっても、そのアイディアは過去、誰かがすでに製作していたりします。それでも時代がことなるなら、たとえ真似でも製作する価値はあります。現代の技術で挑戦すれば、新しい答えやメリットが見つかるかもしれません」
自転車に限らず、今起こっている事は、かならず過去にも起こっている、そしてその時の人たちはどう対処したのか、先人たちの知恵を訪ねる事は、時に大変でもありますが、損はないと思います。
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