2020年2月16日日曜日

脱逸した美学!「The New Blockaders」

前回Metgumbnerboneという謎のマニアックな匂いがプンプンするバンドを紹介しましたが、それに参加しているリチャード & フィリップ兄弟のバンド「The New Blockaders」を改めて聞いてみました。

The New Blockadersは知っている人にとっては説明不要のバンドですが、とにかくノイズらしいノイズの聞かせてくれるバンドです。なので「ノイズってどんな音楽ですか?」と聞かれたらとりあえずThe New Blockadersを聞いてもらったりしています。そして大抵の人はドン引します。

●The New Blockaders / Live At Hinoeuma



このアルバムはCD版を持っていますが、アナログ版はピクチャー盤になっていてメチャクチャカッコイイ!!



別のライブの様子ですが、、、改めてライブの映像見ると超カッコイイ!!!!

・The New Blockaders 'Live At Sonic City' (Official Promo)
https://youtu.be/nhllpu6Sy0Q

スーツを着た覆面の人達がハンマーでピアノ叩いてます!!これカッコ良すぎる!!

また、ノイズをレコードとか擦って、非常にアナログな方法でノイズ作っているんですね!!これはもう職人芸です。

「Live At Hinoeuma」はガラスの割れたような音や、粗大ゴミをひっくり返したようなザラザラしたノイズが延々と続きます。音楽というより音です。しかし、コレがよくよく聞いてみると、なんか非常に深みがあるというか、厚みのある音で、大音量で聴くとエクスタシーを感じてしまうような陶酔感があります。


●Bladder Flask / One Day I Was So Sad That The Corners Of My Mouth Met & Everybody Thought I Was Whistling



個人的にはThe New Blockadersの前身のバンドBladder Flasknの方が好みです。

コレは、色々な音を細かく刻んでコラージュしたような音楽で、とてもユーモラスで、音もゴチャゴチャと変化していくので、聞いていてヘンテコで面白いです。

The New Blockadersの乾いたようなザラザラしたノイズ感はありませんが、音の構成がしっかりしていて、飽きる事なくばっちり聞かせてくれるので、やっぱり技量が高いなと思わせてくれる内容です。

・Bladder Flask - Musical Behind Head
https://youtu.be/_e4_dPsf2JM


●The New Blockaders / Changez Les Blockeurs



コレはファースト・アルバムです。
Bladder Flaskに比べると音のアプローチが全く変わっていて、ザラザラとした乾いたノイズ音になっています。

・The New Blockaders - Changez Les Blockeurs Part 1 (Excerpt)
https://youtu.be/ZdNS0HrmLPc

オリジナルは1982年なので、今聞くと非常に素朴な感じがしてコレはコレで味わい深いというか、妙にレトロな印象を受けます。


●Organum & The New Blockaders / Pulp



コレは以前Organumの時にも紹介したアルバムですが、ファースト・アルバムのような味わいもレトロ感もザラザラ感もなく、ただただ最高に騒がしいアルバムですが、やっぱりなんか音が非常に分厚いというか、濃いというか、とにかく最後の最後まで迫力があります。

・New blockaders_organum- pulp pt 1.wmv
https://youtu.be/VzngL_wChQ4

OrganumとThe New Blockadersが共作することで、ちゃんと変身しているというか、OrganumともThe New Blockadersと言えない新しい何かに生まれ変わっていて、ノイズという文脈の中でも非常に重要な作品なんじゃないかと思います。


●Masstishaddhu ‎/ Shekinah



最後にMetgumbnerbone、The New Blockadersなどと絡みのあるMasstishaddhu。

アルバムはコレ1枚しかないみたいですが、前回紹介したMetgumbnerboneのエセっぽい民族音楽とは打って変わり、こちらは非常に技巧的で呪術的なミニマル&サイケデリック・ミュージックで、民族音楽の魔術的な陶酔感を拡大解釈して作ったような音楽です。

・For the dead and unborn
https://youtu.be/5yeZa4ldBGs

Metgumbnerboneも民族音楽の要素を取り入れていますが、その解釈の違いなんかを比較して聴くのも面白いと思います。


前回Metgumbnerboneの繋がりでThe New Blockadersと、Masstishaddhuもプラスして紹介しました。

The New Blockadersは自分の好みのツボにハマる訳では無いですが、やっぱり聴くとカッコイイなと思います。また、The New Blockadersとか、ハーシュ・ノイズのような音楽って、普遍的ではない脱逸した美学みたいのがあって、それが分かる人には分かるけど、分からない人にとってみれば難解なものでしかない。そんな印象も受けたりしました。


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