2018年1月23日火曜日

ディスク・メディアも一期一会 その40

メトロポリス完全復元版を見ました。




メトロポリスは1926年にドイツで製作されたモノクロサイレント映画で、SF映画の古典とも言われています。

メトロポリス自体は過去に何回か見ているのですが、今までの一般的なメトロポリスはだいぶシーンがカットされているらしく、今回の完全復元版では可能な限りオリジナルに近づけた作品になります。

という訳で、ウキウキしながら見た訳なのですが、いやね、もう、本当びっくりしました。

ストーリー自体はほぼ同じなのですが、カットされたシーンが復活する事により、よりひとつひとつのシーンの意味が明確になり、同じストーリーなのに全く違う印象を受けました。

ラストのシーンも今までのメトロポリスは「みんなが仲良くして行こう」みたいな感じで終わるのに対して、完全復元版だと「バラバラになってしまったものを繋ぎわせる」みたいな意味になり、確かに見ていて復刻版の方が腑に落ちる感じがしました。

メトロポリスについて気になる所は沢山あるのですが、それはまたの機会に譲るとして、

この映画、今からするとだいぶ古い映画じゃないですか、でもやっぱり魅力的なんですよね。

特に古い映画を見るとよく思うのですが、映画ってなんかその時代の空気感を閉じ込めているような感じがするんですよね。

メトロポリスもそいう空気感が閉じ込められているように思うんですよね。確かに今のCGとかで合成された映像を見慣れてしまうと、ちょっとチープというか、古臭い感じがするのですが、逆に言うとCGを使わないでこれだけのスケール感を演出できるという事は、セットや小道具にどれだけの手間暇かけて作られているのか?想像するだけでもとてつもないエネルギーというか、熱量を感じるんですよね。

労働者がエレベーターに乗って仕事場に行くシーンは今見ても息がつまるくらい重苦しくて衝撃を受けます。

https://youtu.be/on2H8Qt5fgA?t=25s

もちろん現実はこんなに単純ではありませんが、映像として単純化するからこそ浮き彫りになる事もあり、メトロポロスの映画にはそいう見所のあるシーンが随所にあり、これを作った人達の思いやその時の時代背景などを知りたくなるような、そんな興味がそそられるくらい魅力的な映画だと思います。



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