2019年3月31日日曜日

福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ

東京国立近代美術館で開催されている福沢一郎展を見に行きました。



この展覧会の名前が見事ですね。

「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」

もうこのタイトルだけで満足感があります。

雑誌とかの写真のイメージをはり合わせる様に描くコラージュの手法を使った画風はユーモアがあって、見ていて楽しい。



巨大な顔の絵は映画「未来惑星ザルドス」を彷彿とさせるいい絵ですね。



マックス・エルンストがコラージュの手法を使って書いた本「百頭女」から影響を受けているそうです。私もこの本大好きです。



戦後は群像を描くのに取り憑かれたそうです、、、



上の絵は「敗戦群像」というタイトル。タイトル名がいいですね。この後なぜか絵がグロテスクな方向に向かっていきます。



下の作品はグロテスクな植物がカラフルに描かれている大作(めちゃくちゃデカイです)。なんでこんな絵描いたんでしょうか!!素晴らしいです。



グロテスクと言えば最近見た映画「遊星から物体X」出てくるモンスターが最高にグロテスクでカッコ良かったです。



この2つの人間の顔が分裂するモンスターの造形!!これだけでもこの映画を見た価値あったなと思いました。

話は飛びますが、ルネ・リンドブラッドというミュージシャンの「Objekt 2」というアルバムのジャケットデザインも同じく顔が分裂している様なイメージの絵が描かれていて、なんかすごい映画とジャケットの絵がリンクしました。



写真がなかったのですが、このジャケット中を開くと顔がビヨ〜〜んと伸びている絵もあって、本当にイメージが重なりました。


話を戻しますが、福沢一郎はこの後南アメリカなどを旅し、いきなり作品がカラフルになります。



写真がなかったのですが、「顔」とか「いれずみの男」という絵が個人的には好きになりました。

そして最後はオイルショックの時に起こったトイレット・ペーパー問題を描いた作品。



その名も「トイレット・ペーパー地獄」!!素晴らしいタイトルだ!!

個人的な好みですが、映画「イナゴの日」の最後のシーンの様なイメージの群像を描いてくれると、よりニコニコしてしまったかもしれません。




という訳で、福沢一郎の事は今まで全然知りませんでしたが、自分の好きな映画とか絵とかを彷彿とさせてくれる様な絵があり、楽しかったです。こんなアーティストが日本にもいた事に驚きました。







2019年3月23日土曜日

駄作なんて言わせない、、「Oasis」

前回、ジーザス&メリーチェインを紹介しましたが、同じレーベル、同じ兄弟のバンドという事で、超久しぶりにオアシスを聞きました。

オアシスといえばやっぱり1枚目のアルバム「Definitely Maybe」と2枚目の「〈What's the Story〉Morning Glory?」、あとシングルの「Whatever」などがやっぱり名盤なのですが、今改めて聞くと駄作とされている(というか本人達が駄作と宣言した)3枚目と4枚目の方がなんか興味が持てますね。

●Oasis / Be Here Now



この3枚目のアルバムは、もうとにかくごちゃごちゃしていて、しかも1曲1曲が長いんですよ。もうこれでもか!!ってくらい盛りに盛り込んだ過剰サービスな音作りが今聞くと非常に嬉しくなってしまいますね。

こいう音ずくりを聞くとジーザス&メリーチェインとかマイ・ブラッディ・ヴァレンタインとかの延長線上にオアシスもいたのかなと、、思ったりもしました。

・D'You Know What I Mean?
https://youtu.be/jyJU2136ym4

「Don't Go Away」とか「All Around the World」など、今聞いてもやっぱりいい曲だし、オアシスのいいアルバムを聞きたかったらファースト、セカンドだけで十分だろ!!しかしそれ以上のオアシスの魅力を知りたかったらこのアルバムを聞け!!みたいな、ある意味人を突き放す様な所にこのアルバムの魅力を感じますね。


●Oasis / Standing on the Shoulder of Giants



続いて4枚目のアルバム。

これも、よくわかなんない音が盛りに盛り込まれているアルバムですね。前回の「Be Here Now」はヘビメタみたいな感じですが、こちらはエレクトリック・サイケ・ロックみたいな雰囲気を帯びていて、いろいろな音が散りに散りばめられている、凝りに凝った音ずくりがよくよく聞くと魅力的です。

「Who Feels love」は特にインドっぽい音(タブラー?)も入っていて、サイケっぽさが際立っています。

・Who Feels love
https://youtu.be/uI7NhSoGUkU

あとGas Panic!もいい曲ですね。これも良く聞くと分け分かんない音が沢山入っていて、聞いていて面白いですね。こいう音ずくり大好きです。

・Gas Panic!
https://youtu.be/D431CwC9wTw

他にも「Little James」「Where Did It All Go Wrong?」「Sunday Morning Call」「Roll It Over」などなど、けっこう聞きどころの多いアルバムですね。意外と名盤なんじゃないか??と思いました。


オアシスはとても思い出の深いバンドで、洋楽を沢山聞くきっかけを与えてくれたのがオアシスです。
しかし、ある日を境にぱったり聞かなくなり、気がついら解散していました。(もともと解散騒動は沢山ありましたが、、、)

もう過去に聞いていたバンドという位置ずけになってしまっていたのですが、しかし、こうやっていろいろな音楽に出会って、巡り巡ってオアシスを聞いて、新たな魅力を発見できた事は自分にとって嬉しい事でした。

これからもたまに聞いて行こうかなと思いました。








2019年3月18日月曜日

ザ・プロディジーのキース・フリントさん

そう言えば!!「ザ・プロディジー」のシンガー、キース・フリントさんが亡くなってしまいましたね。



「ザ・プロディジー」は最近聞いていなかったのですが、サードアルバムの「ザ・ファット・オブ・ザ・ランド」は非常に思い出のあるアルバムでした。

●Prodigy / The Fat of the Land



このアルバムはジンクスがあってですね、友達に貸すと必ず帰ってこないアルバムなんです。

友達がそんな事を話していて、私も何かのキッカケで友達に貸したんですよ、、

それ以降聞いていないアルバムです、、、。

もう誰に貸したのか忘れてしまいましが、ジンクスは本当だったんだなと、、、その思い出だけは残っています。

でもこのアルバムよく聴きましたね、当時はデジタル・ロックなんて言われていました。

1曲目のスマック・マイ・ビッチ・アップ!!今聞いても痺れますね!!めちゃくちゃカッコイイ!!

・Smack My Bitch Up
https://youtu.be/iIMVbL1rq5c

ライブ映像がまたカッコイイですね。

・Smack My Bitch Up (Live At Pinkpop 2010)
https://youtu.be/W2TFvw7zlAs

しかし、これ見るとぜんぜん歌ってないじゃん!!調べてみたら、もともとダンサーとして加入したみたいです。

でも、こいう人が存在してたという事が、自分にとって嬉しいです。



2019年3月17日日曜日

硬いギター音!「Jesus & Mary Chain」

前回スクリッティ・ポリッティを聴いて、なんとなく同じ年代のバンド、ジーザス&メリーチェインも気になりだして最近聞き直しています。

以前紹介した「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」とか、今回の「ジーザス&メリーチェイン」の様な、なんかモヤモヤしたノイジーな音のバンドを最近はシューゲイザーと言うらしいです。ちなみにシューゲイザーって靴を見ながらギターを弾いている様なヤツら!!みたいなところから名前が来ていて、確かに垢抜けないといか、どちらかと言うと地味で内向的なバンドが多い様に思います。

僕がこの辺のバンドを知った時はシューゲイザーという言葉はなく、80年代のパンクの延長線上にある様なバンドをみんなひっくるめてニューウェーブとかロックオルタナティブとか言われていました。

リアルタイムで聴いていた訳ではありませんが80年代の音楽けっこう好きなので、新たな文脈で再評価されるのは嬉しいですね。

さてさて、ジーザス&メリーチェインですが、有名なアルバムはやっぱりファーストのサイコキャンディですかね!!


●Jesus & Mary Chain / Psychocandy



この一曲目の「ジャスト・ライク・ハニー 」は乾いたドラムから始まる、気怠い感じの曲で、やる気の無い時によく聴いていました。
ノイジーな音という意味ではやっぱりマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの方が圧倒的がザラザラモヤモヤした音ですが、ジーザス&メリーチェインはもっとロック寄りで、ノイズというよりは硬いギター音!!という印象があります。

・Just Like Honey
https://youtu.be/7EgB__YratE

多分マイ・ブラッディ・ヴァレンタインよりも聴きやすくて、隠し味的にスパイスなノイジーがオシャレでカッコイイです。


●Jesus & Mary Chain / Automatic



コレはサードアルバムになります。

スクリッティ・ポリッティを聴いてからこのアルバムを聞くと、いや〜〜ハマりますね。
セカンドアルバムでドラムの人が脱退したらしく、その後はドラムマシンを導入したそうですが、そのせいか、リズムがスクリッティ・ポリッティみたいな感じがしていいですね。でもダンスというよりはロックといった感じで、ファーストよりもポップで今改めて聴きくとカッコイイです。


●Jesus & Mary Chain / Honey's Dead



コレは今日買いました。まだ一回しか聴いていないのでなんとも言えませんが、印象としてはファーストとサードをいい具合にミックスした感じで、よりダンスっぽいリズムもあり、スクリッティ・ポリッティ感が出てきたなと!!思いました。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインはノイジーな方向へ行きましたが、ジーザス&メリーチェインはポップでロックな方向へいった様な感じで、バンドの違いがはっきり表れていいですね。

これ以降のアルバムとか、シングル曲を集めたアルバムも購入しました。あと、最新のアルバムはまだ入手していませんが、そのうち買いたいと思います。

なんと、偶然にも5月に来日公演があるみたいです!!早速チケット購入!!

ライブに合わせて聞き込んで行こうかなと思っています。

2019年3月3日日曜日

音の万華鏡!「Scritti Politti」

前回、山下達郎を聴いていると書きましたが、山下達郎の「作り込まれた音」というものが、バンド編成とかオーケストラ編成とも違う音の厚みがあってカッコイイなと思っているのですが、「作り込まれた音」という事で、この一週間でどハマりしてしまったのがイギリスのバンド「スクリッティ・ポリッティ」。


●Scritti Politti / Cupid & Psyche 85



セカンドアルバムです。コレ、メチャメチャカッコイイです!!

リズムとリズムの間にこれでもか!!ってくらい分けの解んない音をぶち込んでくるんです。

・Absolute
https://youtu.be/3FV_U6pApEc

そしてダンス音楽とかレゲエとかヒップホップのような音をどんどんブリコラージュしてくるんです。

当時の考えられていたテクノ的あるいはダンス的な音を寄せ集めて、ぶった切って、リズムの間に緻密に織り込んでいくので、まるで音の万華鏡のようです。

レゲエとかヒップホップの影響を受けているんだろうけど、もう独特の世界観を作り出してしまったな!!あえていえばポップソング!!

デトロイトテクノとかミニマルテクノの様なストイックさがなく、このアルバムをテクノと言っていいのかどうか分かりませんが、こいうテクノがあったのか!みたいな衝撃がありました。


●Scritti Politti / Absolute



これはベスト盤です。結構有名なバンドだと思っていたので、わりかしアルバムも入手しやすいかなと思っていたら、今ちょうど品薄状態の様なので、このベスト盤が入手できたのはありがたかったです。


●Scritti Politti / ‎White Bread Black Beer



これは今のところもっとも新しいアルバムです。

セカンド&サードのリズム路線からうって変わって、こちらはかなりスローで内省的なアルバムで、どちらかと言うと歌重視なアルバムです。

セカンド&サードの方が代表的だしカッコイイのですが、ずっと聴いているとけっこう疲れるので、チルアウト的にこのアルバムを聞くと、なかなかいいサジ加減になります。あくまでセカンド&サードを聴いて、興味が出たら買ってもいいかなと思う内容ですが、聞けば聞くほどアジが出てくると思います。


「スクリッティ・ポリッティ」かなりファンになりました。またアルバムなど見つけたら買っていこうかなと思います。